「ハルー」
「あ、夏くん。今行くね!」
体育祭が近づくと、午前中は通常授業、午後は体育祭練習とこの学校は行事に力を入れているらしい。
そんな体育祭練習期間に入っているのに、図書当番は相変わらず回ってくる。
普段も利用する人は少ないのに、この時期ならきっともっと少ないはず。
「行ってらっしゃーい」
「うん、行ってくるね」
詩乃にも見送られ、いつものように教室まで迎えに来てくれている夏くんと一緒に図書室へと向かう。
「こんな時くらい図書室締めたらいいのにねー」
「なんで?」
素直に思ったことを口にしたのに、夏くんはそう疑問で返してくる。
だって、面倒くさくないのかな?



