「よしっ、行こ!」

ぱぱっと髪の毛をすいて、シュシュで軽くまとめる。そして、ドアを開けた。



「お父様っ」

「おお〜、友香!」

私の父-国王である朝比奈慧(あさひな けい)は、一言で言えば、二重人格。

私の前ではデレデレなところがあるけど、仕事となればキリリっとなってる。私の前での態度は微塵も感じられない。切り替えもめちゃ早い。

「友香、久しぶりだな〜!」

「はい!」

「おおっ、そうだった。今日はちょっと相談があって時間をとってもらったんだよ」

ガタンと椅子を引いてお父様が席につくのを見計らって、私もつく。

「それで、相談とは?」

私が言うと、急に真面目な顔になる。

仕事モードに入っちゃった。