娘?

それって、一人しかいない。

お母様・・・・・・

「あなたのお母様は、水晶に殆どの魔力を遺して亡くなったのです。私たち神には、とあるものを通してでなければ加護を直接受けさせることはできないのです」

とある・・・・・・もの?

それ、学校で習ってない!

「水晶ですよ」

「水晶が?」

「透明で澄みきっている宝石ですからね。そう・・・・・・この花のように」

突然、セレネー様は降り立った。

花畑の上に

「この花・・・・・・これって」

「よく知っているでしょう。スミですよ」

スミ

心が澄み切っている人にはとても綺麗な花に見えると言われる、希少な花

「その水晶を通して、私は貴女に魔力をわけました」

「あ、ありがとうございました!」

「それが私の使命であり役割ですから」

「それでも・・・・・・ありがとうございます」

ぺこりとお辞儀をする

もしセレネー様が

お母様がこれを遺してくれなければ

私はこの世にいなかったんだ

「じゃあ、ペンダントは・・・・・・」

「申し訳ないのですが、破壊してしまいました。でも・・・・・・」

でも?

「お母様がまたさずけてくださいますよ」

・・・・・・????

何を仰ってるんですか・・・・・・?

「いずれ分かりますよ。それでは」

そう言って、セレネー様は空気に溶け込むように消えていった

「いずれわかる、か」