「他の病室にはあるかもしれませんわ」

「なら、しらみつぶしに見ていくしかないねー」

「だな」

ふぅ〜。

結構歩いたけど、一つ一つ見ていってもベッドどころかそれを置けないくらいにごちゃごちゃしている部屋もあった。

ここ、凄いところだね・・・・・・・

「あら?ここ、なにかしら」

「愛梨、どうしたの?」

「この部屋、何か嫌なものを感じるの」

「嫌なもの?」

愛梨が指したのは、さっきまで見ていた病室よりも、一回り大きい部屋。

確かに、何かが嫌。

「なんだろう・・・・・・得体の知れないものがある感じがする」

「わかりますわ。なにか、恨みを感じますの・・・・・・」

「同じく、だ。ここから離れた方がいいぜ」

桜の意見に賛成して、私たちは、そそくさとその場を離れた。

ふう、嫌な部屋だった。

「次はどこ?」

「ここですわ・・・・・・あら?」

とある病室の前でえりかが止まった。

「プレートが、かかってる・・・・・・」

愛梨が小さな声で、それでもしっかりと聞こえるように呟く。

「プレート?」

「は?」

「なあにそれ?」

二人の肩越しに覗き込むと・・・・・・

「朝比奈・・・・・・友香?」

「はあ?!」

「いやいや、これって罠かもよ?」

「おかしいでしょ!人質の居場所をしらせる犯人って初めて見た!」

「そりゃ、誰でも初めてだと思うぞ」

「まあ、そうだよね」