やられちゃいましたねー。

「あれ?反応が薄い?」

「へ?そんなに薄かった?」

「いつもなら『うそ〜』っていう人が多くてさぁ。計画的だったのがね。まあ、こうやってフツーに会話してること自体、変なんだけどさー」

「ま、そりゃそうだね」

自分を攫った張本人と会話をしてるなんてこと、映画でもないよね。

うん、不思議ですな。

「そ・れ・よ・り!はよここから出せぇ!」

「むりー」

「ええええええぇぇぇぇええ!!!!」

「むりなものはむりー」

「けちー」

などと、どうでもいい会話をしているのは

嘘です♪

ほんとーは

ここがどこなのかを探ってまーす。

あ、魔法でね?ここがどんな場所か、夢菜の注意をひきつけておいて

秘密の魔法で探ってまーす。私の作った新魔法でね!

どうだ!えっへん。

「それじゃあ、またねー」

夢菜はそう残して、この部屋を出ていった。

ふう〜。

改めて部屋の中を見渡してみる。

何故か広い。しかも真っ白。

ここだけ石造りじゃないなんて・・・・・・おかしい。

いや、もしかしたらさっきの場所がおかしかったのかも。

ううん、どっちだろー。

でも、ここ、病室なんだよね?だったら、ここまで綺麗なのも頷ける。