セレネー様の加護・・・・・・・・か。

神様からの加護は、王族ではあれば誰もが受けると言われている。

因みにお父様にも神様の加護があり、アイテール様が

お母様には、ニュクス様からの加護を受けていたらしい。

アイテール様は天空神、ニュクス様は夜を司っていて、セレネー様とニュクス様はご姉妹らしいよ。あ、魔法界ではね。

実の所、私はどの神から加護を受けていたのかは知らなかった。

まあ、ギリシア神話の神様であることは知ってたんだけどさ。


あ、だんだん景色が薄れていく。

そっかぁ、もう終わりかぁ。

うーん、短かったよーな長かったよーな・・・・・・

どっちだろーね?

霧がかかったみたいに視界が真っ白になった。そして、


目が、覚めた。

「あら、お目覚めね。王女様」

「・・・・・・っっ?!」

声にならない悲鳴をあげた。ここは、鉄格子で囲われた空間。床は石でゴツゴツしてる。壁も、小さい窓が一つ天井近くにあるのを除けば石。

でも、私が驚いたのはそれじゃない。私の、目の前にいる人。

「ゆ、めな?」

「あははっ。口調を変えてもバレたかー」

私の、友達。人間界でできた、初めての友達。

原田夢菜。

「ちょっ、ここから出してよ」

手を動かそうとしても動かせない。肩越しに見ると、金属でできた大きな腕輪で拘束されていた。