「…私達は、2人で1つだから!」


眠る美空に、満面の笑顔を見せて。



その瞬間、私の体は光に包まれた。


(何?)


と思う間も与えられなかった。



私は、消えた。


まるで、空気に溶けるように。


私が居た所には、今は誰も立っていない。


あの世へ強制的に戻されるのを感じながら、私は心の中で呟く。


(美空、大好きだよ)


と。


自分でも不思議に思う程、今の私には思い残した事がなかった。


あれ程、生きたいと思っていたのに。


その感覚も、今では薄れかけている。



まるで、夢のような2時間だった。


けれど、忘れてはいけない、忘れられない2時間。


最後に見た美空の顔が頭をよぎる。


(また、会えるかな…?)


会えないと分かっているけれど。


私は苦笑し、ゆっくりと目をつぶった。