ここからでも、先生が苦笑しているのが伝わった。


「そう…それじゃあ、授業が終わるまで先生とお話してましょ」


そこまで聞いて、私は目を瞑った。


斎藤君が眠らないのなら、なおさら私が居る事がばれないはず。



私は、事故の日の事を思い出さないといけない。


先生とも約束したから。



さっきまで眠くなかったのに、いつの間にか夢の世界が私を手招きしている。


眠気に身を任せる。


(思い出せ、私…思い出せ、1年前…)


いっそ、怖くても構わない。


思い出して、何かが変われるならそれで良い。



何とかして夢にすがりつく私。


そこで私の意識は途切れた。