それは、美花が1番最後に貰ったお父さんからのお土産。


私は恐る恐るスノードームを持ち上げ、振ってみた。


その丸い球体の中で降り注ぐ雪を見ても、私は不思議と嫌な思いにならなかった。


スノードームの雪は、中に飾られている1軒の家を取り囲むように降り注ぐ。


(私のスノードーム、どこだろう?)


無意識にスノードームを振りながら、そんな事を考えた。


流美に自分のスノードームをあげたことは、何となくではあるが覚えていた。


けれど、その後流美が私のスノードームをどうしたのか、私は知らない。


もしかしたら、とってあるのかもしれない。


でも、捨ててしまったかもしれない。


失くしたかもしれない。



「2人で1つって言ったのに…私だけじゃん…」


美花と一緒に美花のスノードームを使う日は、もう二度と来ることは無い。


私はスノードームを元の場所に戻し、ベッドへ潜り込んだ。


少しずつ、少しずつ薄れていく記憶。


もう、自分の頭の中でしか再生出来なくなった、美花の笑顔。


会話の内容。


些細な日常生活。


それら全てが、偶然に見つけた交換日記によって補われている。


嬉しかったけれど、悲しかった。


余計に、辛くなるから。