私は大和から山の奥に目を遣った。 その視線の先には鬱蒼と木々が覆い尽くすだけ。 確かに私は神社があるのを見た。 だけど、そこにそんなものは、ない。 「ねぇ…大和…神社見なかった…?」 寂れた赤い鳥居。 「近くに狐の…像…みたいなのがあって…」 …狐… あの電車の中の車掌さんも狐だった。 「いや、見てねぇけど…」