まさか演技だったんじゃあるまいな、と思ってしまうが。

 いや、そこまでして、私と結婚しなければならない義理もないし。

 こういう展開になったのは、たまたまだ――。

 そういえば、奏汰はあのあと、白河に、
『君は気に入らなければ、写真とはいえ、送らないと思ったんですよ』
と言われたという。

 ……どうでもいいが、白河さんは何処から社内の会議の情報を?

 西和田さんのようにわかりやすいのではないスパイがまだまだ潜んでいるのかもしれないな、と思った。

 まあ、それこそ、どうでもいいことだが。