夢の中。 王冠もなく、かぼちゃパンツもなく。 塔を見上げていた奏汰は、蜘蛛の糸のように、するすると上から下りてきたふわふわの細い毛糸をぱちんと切ってみた。 上で、眠らせ森の姫が、ええっ!? と驚いている。 切ったら、自分も上へは行けないが、他の誰も彼女のところに行けないはずだから。 森の中に、王子だか、忍者だかわからない奴が潜んでるのを感じていた。