帰り際、小枝子が、
「心配してたけど、楽しそうね」
と言ってきた。

 ……楽しそうでしたか? と心の底から疑問に思い、母に問いたかったが、とりあえず、黙った。

 父親は、
「奏汰さん、つぐみをよろしくお願いいたします」
と改めて、深々と頭を下げていた。