……そして夕方、ようやく最後の部分を拭き終え、私は部屋を見渡しながら満足げにふう、と息を吐く。

辺りは前日のじめっとして汚れた部屋とは打って変わって、清潔感のある空間が広がっている。


ここまで綺麗にするのに、本当大変だった。

部屋の隅に埃が咳き込むくらい溜まっているし、床だって染みもところどころあって、どれだけそれを落とすのに擦ったことか。

それだけじゃない、ベッドのシーツもいつ変えたか分からないほどに色あせていたのが、今ではなんの陰りもない白さに輝いている。


頑張ったかいがあったと思う。
今じゃ見違えるほどに清潔な部屋になったもの。


「王子、いい加減出て来て下さいませ。掃除終わりましたよ」


湯浴み場の扉を叩き、告げる。

王子は渋々と湯浴み場から出た。