「お食事の用意ができました。置いていきますね」
料理を乗せたワゴンを部屋の前に置き、王子に声をかける。
なんの反応もないことを確認して、部屋の前から立ち去る際、さらにひと言付け加えた。
「ご安心ください、昨日のように待機していることはありませんから。今すぐここからいなくなりますので、さっさと食事を済ませてくださいませ」
やけに最後の文言が、嫌味たらしくなってしまったのは仕方のないこと。
昨日の失礼な発言に対しての、ちょっとした反抗といったところか。
やれることはやって、私はその場をあとにする。
さて、王子はちゃんと食事を摂ってくれるかしら?
それから一時間ほど、自室の掃除や洗濯物をして時間を潰し、再度王子の部屋へと向かう。
ワゴンの料理は綺麗になくなっており、空の皿が重なって置かれていた。
結構な量だったと思ったが、それをぺろりと食べていたところをみるに……。
昨日は結局ワゴンの料理に手をつけなかったようだったから、丸一日食事を摂らなかったことになる。
そりゃあ、お腹が空いて仕方ないだろうけど……。
「だったら、意地なんて張らなきゃいいのに」
つい、呆れ混じりの言葉が漏れた。


