辺りは、しんと静けさを取り戻す。

私はしばし呆気にとられて、扉を見つめたままその場で立ち尽くしていた。



……なんなの、いったい。

まったく受け入れようともせず一方的に拒否して。

それが次期国王である男のあるべき態度なの?


信じられない。
人をバカにするにもほどがあるわ。



それに、しつこい人間は嫌いですって?


――ああ、そうね!


私もたった今の会話で、あなたのことがものすごく嫌いになったわ!

なんでほぼ初対面の人間に、そこまで言われなきゃならないのよ!!

ああもう、やってられない!!