話もほどほどに、早速リフィト王子のいる部屋へと向かう。

部屋は、ライト王子の部屋とは真逆の位置にあった。


セリスがノックをし、朝の挨拶をかける。

すると扉の向こうから挨拶が返ってきた。


部屋へ入ると、リフィト王子はとっくに着替えを済まし、部屋のカーテンと窓を自ら開けていて、部屋は気持ちの良い朝日に照らされ、清々しい空気が部屋を満たしていた。

セリスはリフィト王子に一礼をすると、再度朝の挨拶を交わす。

「おはようございます、リフィト王子」

「ああ、おはようセリス。今日も美しいね」


挨拶に加えてのちょっとした褒め言葉。

普通なら少し謙遜……、照れるような仕草を見せてもよいはずなのだが、当のセリスはまるで手慣れたように、にっこりと頬みながら適当にあしらっている。

どうやらそのやりとりは、いつもの日課のようだ。


……なんて、ぼんやりとふたりのやり取りを見ていてはいけない。

私もリフィト王子に挨拶をしなくては!