って言われても、私になにができると!?

あの状態で、どう世話をしろと!?


無理よ、無理過ぎるわ。

今の私にはこの部屋に入ることすら躊躇うくらいなのに。



今からでもできるなら、辞退したい気持ちだった。

けれど王妃様は懇願するような瞳で私を見ているし、いまさらどうも言えない状況になっていたわけで。



「わ、わかり、ました。できる限りのことは、したいと思います……」


半ばやけくそのような返事だったが、それでも王妃様は嬉しかったのか、私をギュッと抱きしめて「ありがとう!」と何回も繰り返す。


ああ、王妃様とてもいい香り……。

この腕の中でずっと抱かれていたいわ……。


なんてぼんやり考えてしまったのは、これからの生活があまりにも不安過ぎで、現実逃避してしまったがゆえのものかもしれない。