「うーん、そうねぇ」
私はまじまじと王子の顔を見た。
王子は真剣な眼差しで、それから続く言葉を待っている。
「私の理想、……からすれば、少し離れているかもしれないですわ」
その言葉に、王子はがっくりと肩を落とした。
しかし私は続けて王子に告げる。
――最高の笑みを添えて。
理想はあくまでも理想。
大切なのは、今王子が私にとってどういう存在なのか。
それは理想よりも遥かに重要なことだから。
「でも、私にはもったいないくらい、素敵な王子様ですわ」
~完~
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…