「そういえばさ、俺が変わりたいって言った時、ララは俺を理想の王子にしてあげると言ったよな?俺、ララが思う理想の王子になれたか?」

「え……?」

「思い出して、あの時だよ」


唐突に聞かれて、私は過去のことを思い返す。


そういえば、そんなことも言ってたような。


あの時とにかく、がむしゃらに動き回っていたからであまり覚えてはいないが、ようやく王子の口から出た前向きな言葉に、喜びのあまりつい張り切って言ってしまった気がする。



今思い返せば、王子に対してなんて偉そうなことを!と恥ずかしくなるのだが、仕方なかったのよね。

強気でいかなければ、自分がもたなかったんだもの。




……そうね、理想の王子様ね。





王子は、なれたかしら?