いきなりなにを言い出すのだろう。
そう思いながらリフィト王子に顔を向けた時には、既に真剣な表情で私を見つめていた。
心臓が大きく跳ねる。
目を逸らしたいのに、まるで魔法にでもかかってしまったように身体が動かず、逸らすことができなくなってしまっていた。
私みたいな人が傍にいたら、って。
……でも、それは私だと断言しているわけではないし。
「り、リフィト王子には、セリスという素晴らしい侍女が傍にいるではありませんか。私よりももっと優秀なお方が。それなのに突然そんな戯言を」
「戯言って……。そうだね、セリスはとても良くやってくれていると思うよ。でも、僕はララが僕の侍女だったら、っていつも思うんだ。その一生懸命なところも、負けん気の強さも僕だけに見せてくれたらって。……どのみち、君の思いは兄さんには届かない。辛い思いをする前に僕のところに来ない?僕ならララのことを支えてやれるし、守ってもあげられる。苦しい思いをする必要なんてなくなるよ?」
「……っ!」
リフィト王子の言葉に、血の気が引く感覚がした。
どうして!?
この秘めた思いは、誰にも言っていないはずなのに、なぜリフィト王子が知っているの!?


