気がついた時には、私を見下ろすように王子が覆いかぶさっていた。
王子の荒い息と、上昇した体温が伝わる。
「お、王子……?」
「じゃあ、ララがこのどうにもならない気持ちを受け止めてくれよ。お前は俺の侍女なんだろ?俺の世話をしてくれるんだろ?」
「な、なにを……」
王子はそのまま私の首筋に顔を埋め、その柔肌に吸い付く。
ピリリとした痛みと、体内の血液が一気にその部分へ流れていくような感覚に陥った。
「ひっ、あ」
無我夢中で足をバタつかせ、手に力を込めて身体を離そうとするが、男性の力には到底及ばない。
そうこうしている間にも、王子は首筋から耳もとと乱暴な口づけを落としていく。
私の身体はそのたびに、弱い反応を示した。
自分でも困惑するほど、心と身体の反応は別物だった。
でも、こんなことで王子は慰められるというの?
その先に待っているのは後悔しかないはずなのに。
その場の感情だけで、王子が壊れてしまうのは嫌。
――そして私も。
こんな形で、傷つくのは嫌よ……!


