でも、この犯人は違う。
顔が映ることをものともせず、その顔をはっきりと防犯カメラに捉えられている。
カメラの位置を確認する素振りも防犯カメラの映像から確認された。
……つまり、犯人は自分の姿を隠すつもりはなく、寧ろ映ろうとしていた。
それは警察に対する挑発にも取れる行動だ。
「我々に対する挑発じゃないですか?あ、そういえば……」
「何だ?」
「気分が悪くなって此処を離れた時、野次馬の中に赤い両目をした人がいたような……」
「……ッ馬鹿!何故、それを早く言わない!?」
「え……っ!まさか、容疑者とは思わなくて……。それに……」
夢に出てきて、私を知っている人かもしれない……。
なんて言っても信じてもらえるはずがない。