女の人を殺して、お腹を裂いた挙げ句に子宮の潰すなんて人間のすることとは思えない。
自然と膝の上で拳を握り締めていた。
「切碕事件は公になっているとはいえ、それを真似た模倣犯にしては随分と器用な奴だな」
羽取さんは何処からか取り出した棒つきキャンディを加えながら、テーブルに足を乗せた。
そして、また佐滝さんに向こうずねを叩かれている。
「……模倣犯なら良いがな……」
すると、寿永隊長が意味深な言葉を口にする。
「凌?」
「……羽取さんと佐滝さん、翔平さんは20年前に切碕が死んだのを見ていたんですよね?」
彼の問いに、名前が出た三人は一瞬動揺した様子を見せた。
が、すぐに悔しそうな、悲しそうな顔をする。
そして、彼の問いに答えたのは三人ではなく、小鳥遊さんだった。



