紅の葬送曲



「痛い!力抜けって言われても、そんな近くから言われたら力入りますって!」





「どんな状況でも惑わされないのが翔鷹だ。まったく、こいつが警察学校次席の好成績とか有り得ん……」




「そうやって、呆れないでくれます!?恥ずかしいです!」




周りにいる小鳥遊姉弟の視線を感じながら、私と寿永隊長は言い争いを始める。





「声だけ聞いてれば、厭らしく聞こえるんだけどね……」




「江、黄昏た目をするな。悲しくなる」




小鳥遊姉弟が呆れたような目で見ているのを感じたが、気にしない。




何でこの人はこんなにきつい言い方しか出来ないのかな!?




確かに上官かもしれないけど、歳は私の方が一つ上だよ!?




それなのに……。




すると、誰かのスマホが鳴った。





私のではない。