紅の葬送曲



半日後。




「寿永隊長……、もう勘弁してください……っ」




後ろから感じる力に体がギシギシと軋む。





体が重い。




汗が伝う。





息が上がる。




「駄目だ。まだやれるだろ?だから、力を抜け」





耳元で聞こえた声に、自然と体が強張った。





その瞬間──。




「だから、力を抜けと言ってるだろ!」




肩を叩かれたかと思うと、パァンとした音と共に放たれた弾丸は的の真ん中から少し反れた場所に命中した。