藤邦さんは落ちていた拳銃を拾い上げると切碕に近付いて来て、それを切碕に向けた。
「貴方は変わらないままね……」
「まあね」
切碕は穏やかな眼差しを彼女へ向ける。
「切碕……、貴方は何を考えているの?」
「何って?」
「貴方が蘇った理由……。前みたいな連続殺人を犯すためじゃないんでしょ?」
藤邦さんの言葉に、その場にいた誰もが動揺する。
え、それってどういう意味?
だって、切碕は殺人鬼で、自分を蘇らせてまた殺人を行おうとしてたんじゃ──。
……いや、それは過去に切碕の行っていたことから勝手に私達が思っていたことだ。
ということは切碕には蘇ってまですることがあって、その事実は本人以外は知らなかったということ?
藤邦さんの問いに切碕は
「……君は本当に何もかもお見通しなんだね、アリスちゃん」
何の否定もせずに苦笑いを浮かべていた。
「……っなら、蘇ってまですることって何だ!?」
すると、今まで黙って話を聞いていた寿永隊長は切碕に大股で近付くと、胸ぐらを掴み上げた。
でも、藤邦さんに肩を叩かれてその手を離した。



