「紅斗!紅緒の奴はどうしたんだ!?これじゃあ、まるで──」
「僕にも分かりません。ただ言えるのは結局紅緒も切碕の子供だったということです」
僕は驚きを隠せていない羽取さんにそう言うと、奥歯を噛み締めた。
紅緒は……幼い頃からたまにこうなる時があった。
僕達が養護施設にいた頃、年上の男児に僕が殴られたことがあった。
殴られたのは目が気に入らない、気持ち悪いと言った理由だった。
人は人と違うものを嫌悪する。
赤い瞳をした僕は人と違う、嫌悪されることが当然だったから僕は否定しなかった。
でも、紅緒は違った。
怒って、その男児の首を絞めて殺そうとした。
その時は僕と施設の人で止めたから大事には至らなかったけど、それが原因で僕達はただでさえ孤立していたのに更に孤立することになった。
この事は多分紅緒は覚えていない。
それでも、その出来事は紅緒の中には父親から引いた残虐性が色濃く隠れていたことを見つけるきっかけになった。
琉介からは残虐性について聞いていないから僕が傍にいない間には今のようになったことはないのだろう。
それは良いとしてとりあえず、紅緒を止めないと……。
そう思っているけど、僕の体はどうも言うこと聞かない。



