そして、苦しそうに体を前に折ると膝をついた。
私は近くにいた芦葉さんに紅斗を任せて、寿永隊長に駆け寄る。
「寿永隊長!」
膝をつく寿永隊長は胸を押さえながら口を手で覆っていた。
口を覆っている手の指の隙間からは血が伝い落ち、手を離した口にはベットリと血がついていた。
その光景に、切碕は楽しそうに笑い声を上げる。
「あっはははははは!僕のかけた呪いを継いでいるということは君は周君の息子かい?名前は何て言うんだい?」
「寿永凌……。それが俺の名前であり、お前を殺す男の名前だ」
「……面白い。気に入ったよ、凌君」
切碕は一頻り笑うと、血溜まりに倒れるアンジェロさんの傍に落ちているナイフを拾った。
「僕を殺したいならおいでよ。……来れるならね」
ナイフを構えると同時に、切碕は指をパチンと鳴らした。
それが合図だったかのように、寿永隊長は胸を押さえて床に蹲った。
でも、今胸を押さえて蹲って苦しそうに呻いていたと思えば、今度は首を押さえて仰仰け反った。
彼が押さえる首は左右から何かに圧迫され、あり得ないほどに細くなっていた。
これでは息が出来なくなって、死んでしまう……。



