「──ご名答だ、寿永隊長」





琉ちゃんは寿永隊長の腕を一瞬にしてすり抜け、両手を広げて笑っていたから。




「く……っ」





「寿永隊長!」





ふいを突かれ、腕を抜け出す際に琉ちゃんに頭を肘で殴られた寿永隊長はよろけて倒れそうになる。





そんな彼を私は慌てて支えた。





「血が……っ」




頭を殴られたせいか彼の額からは血が伝ってる。





が、私の心配をよそに寿永隊長はその血を乱暴に服の裾で脱ぐって琉ちゃんを睨み付ける。





「おおよそ、香西京を殺すときは安倍明晴にでも協力してもらったんだろう?悪いが、翔鷹にはそう言った術の痕跡を見つけられる奴がいるんだ」





もしかして、その術を見つけられる人って芦葉さん?





彼が言う術の痕跡を見つけられる人が芦葉さんなら彼との外せない話があったというのはその事だろうか?





それ以前に、芦葉さんって何者?





「僕が何者か知りたい?」





そんな疑問を感じていると、音もなく芦葉さんが私の横に現れた。




「!?」





悲鳴を上げそうになるのをどうにか堪えるが、肩が揺れるのは押さえられなかった。





すると、芦葉さんは紅斗を見ると、紅斗はハッとしたように彼を見た。