「ムカつく……」
寿永隊長は舌打ちをすると、紅斗の後ろにいる私を引っ張り出した。
何で!?
そして、そのまま私を引きずるようにしてパーティー会場を出た。
何で!?
彼の行動が意味が分からない私は慣れないパンプスに転びそうになりながら後を付いて行く。
すると、背後から小鳥遊君達の笑い声が聞こえた。
笑わせてきた本人がいなくなったことを良いことに、笑っているのだろう。
私は被害被りそうなんだけど……。
これから起こるであろうことに身震いすると、とうとうパンプスで早足に耐えきれなくなった私は足を捻ってしまう。
「わっ……と!?」
前のめりに倒れそうになるが、私の女とは思えない野太い悲鳴に寿永隊長は振り向いて咄嗟に支えてくれる。
でも、前のめりになるのには変わりなく、私はそのまま彼の胸に倒れ込むような形になった。



