紅の葬送曲



「……二人とも、大きくなったね」




アリス様は私と紅斗を見ると、悲しげに笑った。




やっぱり、彼女からしてみても私達が憎しみをぶつける対象なのだろうか?





ふと、アリス様の視線が私達の隣にいる小鳥遊君に向けられた。





「あら、なっちゃんの所の江ちゃんじゃない!なっちゃん達は?」





「ちゃんは止めてください。両親はもうじき来るかと」




「そういうところ、なっちゃんに──」





「おい、藤邦アリス。こんな所でなっちゃん言うな」





アリス様の言葉を遮るように、小鳥遊君の母親である七砂さんが彼女の耳を引っ張った。




「なっちゃん!久しぶりー!いたたた……」




「良い年して騒ぐな。耳を引きちぎるぞ」





七砂さん、藤邦家の当主相手にそんなことして良いの?





てか、アリス様の旦那さんも警視総監も二人を止めないし、むしろそこはそこで和んでるし。




「相変わらず騒がしいな、小鳥遊さんとアリスは……」




そんな呆れたような言葉と共に現れたのは詩依様と蓬條家の現当主……依良様だった。





うわー、すっごいメンツが揃っちゃったよー。





これで寿永隊長が現れたらもう帰りたいレベルが跳ね上がるわ。