「済まない、助かった……」
冷や汗を袖で拭うと、背もたれに再び寄りかかった。
本当にまずいな……。
自分でも分かっている。
俺はもう本当に永くない気がする。
もしかしたら、一年も生きられないかもしれない。
それは江達も薄々勘づいているのか、険しい顔をしている。
「凌、君はまだ退役するつもりはないのか?」
「俺はもとから退役なんて考えたことない。俺は父さんと菖の仇を討つ、その為には死ぬまで翔鷹にいないといけない」
「でも、凌の体は──」
「くどいぞ、江」
俺が睨み付けると、江は唇を噛み締めるとうつむいてしまった。
江が菖を失って、俺まで失うのが嫌だと思っているのは分かっている。
でも、人はどちらにせよ死ぬ運命なんだ。
それが俺は早いだけだ。



