「良かったね、アンジェロ。あ、ヤバい……お腹痛い!」




紅斗はアンジェロさんに微笑むと彼女は嬉しそうに頷くのを確認して、足早に拘置所から出ていった。




私と寿永隊長も拘置所に鍵をかけて、その後を追って出ようとした。





「───────────」





ふと、アンジェロさんの呟きが聞こえたけど早口で何と言ってるか聞き取れなかった。





「良かったんですか、寿永隊長?」





私は拘置所を出るとポケットに手を突っ込みなから歩く彼に問い掛ける。





警戒心が強いはずの彼があっさりと監視下に置くなんて、これまでだったら考えられない。





それとも、彼には何か考えがあるのだろうか?




すると、彼は怪訝そうな顔で私を見る。





「何だ、お前はあの女の味方じゃなかったのか?」




「違います。ただ、寿永隊長の質問の仕方が尋問ではなく、脅迫のように聞こえたので止めただけです」




別に私はアンジェロさんの味方な訳ではない。




ただ、寿永隊長のやり方が気に入らなかっただけだ。