「世話が焼ける……っ!」
寿永隊長は舌打ちをしたかと思えばプールに飛び込み、私の体を掴んだ。
そして、私をプールサイドに押し上げた。
「し、死ぬかと思った……」
一瞬三途の川が見え、私は死を覚悟した。
でも、寿永隊長が助けてくれたからこっちに戻ってこれた。
「お前、泳げないのによく警官になれたな……」
びしょ濡れで呆れた目を向けてくる寿永隊長の言葉にカチンと来た。
「失礼な、犬かきは出来ます!そもそも、突然プールを落とす寿永隊長が悪いんじゃないですか!?」
「……突然犯人に水に落とされたとき、お前は確実に死ぬな」
私の訴えに、彼は今度は憐れんだ目で私を見てくる。
彼の否定できない。
現に今プールに落ちて死にかけたから。
「ぬぐぐ……」
反論できずに唇を噛んでいると、寿永隊長が吹き出した。



