すると、紅斗は私をぎゅっと抱き締めた。




私が覚えている限りでは紅斗にこんな風に抱き締められた記憶はない。




でも、何故か不思議と安心する。




「双子だからなのかな……。やっぱり、安心する……」




紅斗も私と同じ事を思っているようで、安心したように私の肩に顔を埋めている。




生まれたときからずっと一緒だった私達。




一度は離れてしまったけど、これからはまた一緒にいられるかもしれない。





過ごした時間は違うけど、今日からは同じ時間を過ごせるかもしれない。




「さて、と……。紅緒、僕達のことより凌君のところに行って」





紅斗は私を離すと、寿永隊長の所に行くことを促す。




「え?」




「彼は昔からだけど、どうも独占欲が強いみたいだからね。いつまでも僕達の所にいたら拗ねてしまうよ」




笑いを堪えている紅斗の言っていることが理解できなかったけど、私はとりあえず寿永隊長の所へ向かった。




でも、いると思っていた執務室にはいなくて、探し回るはめになった。