「切碕様に会いたくはないのですか……?」




明晴の殺気を感じ取ったからだ。




アンジェロの息を飲む姿に明晴は目を細めると、目の前のドアに手をかけた。





「……あの方ならアンジェラとアンジェリアを蘇らせてくれます。あの方は神だ、人を生き返らせるなど造作もないだろう」




アンジェラとアンジェリアはアンジェロの三つ子の姉達で、20年前に切碕が死んだときに共に死んでいる。




生まれたときから一緒だった二人を失って、アンジェロは絶望した。





しかし、『蘇った切碕なら姉達を蘇らせてくれる』と明晴に言われ、アンジェロは彼に希望を持った。





死んだ姉達に会うためにアンジェロは明晴に協力している。




今は危険を省みず、敵の懐に入り込んでいる。





自らの姿を偽って──。