「用件はこれで終わりだ。わざわざ来てもらって悪かったな、解散」
寿永隊長がそう告げると、四人は立ち上がって帰ろうとする。
「芦葉、お前だけはまだ帰るな。……二人で話したいことがある」
「僕?……ああ、分かりました」
芦葉さんはその場に留まり、他の三人は各々に帰っていった。
何で芦葉さんだけこの場に残したんだろう?
「悪いが、お前達も席を外してくれ」
「俺達も?じゃあ、矢賀さん達の見送りしてくるわ。行こっか、浅井ちゃん」
「あ、うん」
私は小鳥遊君に手招きされ、帰路につこうとする三人を追いかけた。
室内には寿永隊長と芦葉さんだけが残された。
この時、二人だけで話された内容はあまりにも残酷で悲しいものだったことを私は知らなかった。



