「な、何ですか……これ……」
どうにか込み上げ来るものを抑え込み、譫言のように呟く。
「お前は初めて見るのか」
寿永隊長は椅子から立ち上がるとテーブルに近付き、黒い書類を手に取った。
「これは20年前、切碕ヒカリが遺した人の殺し方を書いたモノだ。奴の血で記され、奴の意志を継いだ者が同じ殺人を犯していけば、死んだ己が蘇るっていう呪いがかけられている」
切碕が遺した手記……。
切碕が自分の血で書いたと言うそれはリアルなイラストと文章で、不気味というかはっきり言って気持ちが悪い。
何で殺した人の表情や行動、言動まで記さないといけないの?
被害者は皆女の人だし、子宮を必ず潰されている。
やっていることが人と思えない。
この人が実父で、その血が流れているかと思うと吐き気がする。
「……原本は寿永で厳重に管理していたんだが、20年前に盗まれたらしくてな。此処にあるのはコピーだ」
此処にあるのがコピーなら原本は多分紅斗の手元にある。
紅斗は原本通りに殺人を犯している。
最近は無いけど、いつそれが再開されるか分からない。



