妹?
え、私が誰の?
「話は才暉達に聞いていたから一目で分かったよ、この子が僕の妹だって」
玖下さんは穏やかに笑うと立ち上がって、私に近付いてきた。
「……君が切碕に似なくて良かった」
玖下さんは何となく……何となくだけど、紅斗に雰囲気が似ている気がする。
紅斗は切碕に似ているから、必然的に玖下さんも切碕に似ているということになる。
ということは……。
「浅井、お前に言ってなかったが、玖下はお前と同じく切碕の子供……。お前の異母兄だ」
「異母兄……?異母兄妹……?」
私は失礼かもしれないけど、目の前の玖下さんと自分を交互に指差してしまう。
そんな私の反応に、玖下さんは苦笑いだ。
異母兄妹……兄妹……兄妹……?
「にょぇええええええぇぇぇぇぇ!?」
──思考が追い付きません。
私の考えることを放棄したことで出た奇声は翔鷹中に響き渡り、寿永隊長の拳骨が落ちることになる。



