今の寿永隊長の口振りからすると玖下さんも複雑な出生らしい。




でも、何か近いものを感じる。




「気持ち悪いは酷いな、凌。一応、僕は君の部下になるんだけど」




「……一応だけどな。それで、今日の本当の目的は?蓬條の執事が藤邦の使いで来るなんておかしいだろ」




え?玖下さんが翔鷹?




蓬條家の執事じゃないの?




目の前で繰り広げられる会話に疑問を感じていると、寿永隊長は私の方に視線を向けた。





「まあ、大体見当はついてるがな……」





え、私?




私、何かしたっけ?





心当たりが……無くもないから怖い。





「寿永隊長、私何か──」




「……玖下、こいつが浅井紅緒だ。──お前の妹だ」




──は?




寿永隊長の爆弾発言に、私は目をぱちくりさせた。