浅井秀人=安倍明晴にはなった。




でも、手紙を書いたのが誰なのかが余計に分からなくなってしまった。




私と浅井秀人に血縁関係がないなら、私の実母が浅井秀人の妹というのも嘘ということになる。





なら、一体誰が……。





「なかなか複雑な出生のようですね……」





玖下さんはまるで自分のことのように、悲しそうな顔をした。





このイケメン、心までイケメンか……。





「──玖下。その話し方は止めろ、気持ち悪い。それに、複雑な出生なのはお前もだろ」




すると、寿永隊長は心までイケメンな玖下さんにバッサリと毒を吐いた。





酷い、寿永隊長……。




私の癒しになりつつあった玖下さんになんということを……。






……ん?





私はふと寿永隊長の言葉を思い出した。