「司馬琉介について調べ上げろ。……多少法に触れても俺が揉み消す、手段を選ぶな」
「畏まりました」
小鳥遊さんは頭を下げて、消えてしまった。
今、寿永隊長……さらりと怖いこと言わなかった……?
いやいや、そんなことより何で琉ちゃんが──。
「浅井ちゃん」
ふと、小鳥遊君が私の顔を覗き込んできた。
「彼とは幼なじみなんだよね?」
「琉ちゃんは私からしたら兄のような存在で、家も隣だったからよく遊んでたんだけど……」
でも、遊んでいた辺りの記憶が曖昧だ。
琉ちゃんと私、他にももう一人いたような気がする。
無くなっていた記憶を思い出したつもりでいたけど、どうやら全部は思い出せていないみたいだ。
私は寿永隊長から受け取ってから毎日持ち歩いているお父さんからの手紙を取り出した。
私の秘密が書かれている手紙……。
何でお父さんは私に直接渡さず、寿永隊長のお父さんの名前を宛名にし、時が来るまで琉ちゃんに託したの?



