「何故笑う?」




「寿永隊長、貴方は本当に優しい人ですね」




そう言って、彼女は涙を目に溜めたまま笑った。




「俺が優しい……?」




「貴方は何度も私を心配したり、助けてくれました。優しくない人が人を助けたりしない。だから、貴方は優しい人です」




俺が優しい?




彼女が言っていることがいまいち納得できない。




俺は彼女を心配してるつもりもなかったし、助けてる覚えもない。




でも、彼女がそう言うならそうなのかもしれない。




だとしたら、俺は矛盾してるな。




苦しむ姿を見ていたいと思ったのに、心配して助けたり……。





訳が分からない。





「寿永隊長、やっぱり貴方の補佐官でいさせてください」




頭を悩ませていると彼女は俺を呼び、手に触れてきた。