「寿永隊長!」




「会計お願いします。あ、カードで」




私がレジに行く頃には彼は財布からブラックカードを取り出して、手早く会計を終わらせていた。




ブラックカード……初めて見た……。





お金持ちしか持てないそれは庶民の私には初めて見るもので、つい呆けてしまう。




そんな私を気に止めることなく、寿永隊長はカフェを出て行ってしまった。





「待ってください!……っわ!?」





また慌てて追いかけると、ドアを開けてすぐの場所で寿永隊長が立ち止まっていた。





まさか、立ち止まっているとは思わなかったから私は勢い余って彼の背中に突っ込んでしまう。





鼻が痛い……。





鍛えてる背中は本当に痛い……。





鼻血は?うん、出てない。





鼻を押さえながら顔を上げると、彼は私の方を見た。





「お前はもう少し落ち着けないのか?前くらい見ろ」





──って絶対言われる!