紅の葬送曲



「ありがとうございます。羽取さん、佐滝さん」




涙ぐみそうになりながら二人にお礼を言うと、二人はグシャグシャと私の髪をかき回した。





「わわ……っ!」




「よし、その意気で江の所に行ってこい!」




髪を掻き回されていたかと思うと、今度は背中を押された。





その意気って!?




何で急にそうなるの!?




戸惑いながらも顔を上げれば、目の前には同じく小鳥遊さんや寿永隊長に背中を押された小鳥遊君がいた。





何かさっきの今で気まずいな……。





さっき、私は小鳥遊君に差し出した手を振り払われている。





その時はまるで、切碕の血が流れる私を拒絶するように感じられた。





すると、小鳥遊君は躊躇いながらも私に手を差し出した。