紅の葬送曲

≪凌side≫



「──それで、その封筒の中身は?」




目の前に座っている詩依と志摩を頬杖を付きながら睨み付ける。





あの三人には席を外してもらっているから今、執務室には俺と無礼な訪問者の二人しかいない。




志摩が封筒をちらつかせるときはあまり状況が良くないときだ。




それを分かっていて、あの三人には席を外してもらった。




「見れば分かるよ」




志摩は封筒を俺に渡すと、さっき菖が入れてきた紅茶を口にした。





何も言わない彼女に多少の苛立ちを感じながら、俺は受け取った封筒を開けて中の書類を確認する。




そして、書類の内容に自然と口角が持ち上がった。





……やはり、俺の予想通りか。