紅の葬送曲



すると、二人の視線が私に向けられた。




「貴女が菖の後任の補佐官さん?」





「これまた可愛い子を選んだね」




二人は興味深そうに私に詰め寄ってくるものだから私は仰け反るような形になってしまう。




「あ。初めまして、私は蓬條詩依。こっちは藤邦志摩」




「よろしくね、浅井紅緒さん」





ドアを勢いよく開けた張本人であろう人が蓬條詩依さん、その隣にいるショートカットの人が藤邦志摩さん。





え、蓬條と藤邦って……まさか……。




それに、何で私の名前を──。




ふと、二人の後ろに拳が現れた。




「勝手に自己紹介してんじゃねぇよ」





寿永隊長の低い声と共に、二人の頭に拳骨が落とされた。