聖也Side

時間が過ぎるのは早いもので、心春と付き合いはじめてから1ヶ月が経とうとしていた。

「どういうことだよ!親父!?」

俺は自分の父親の前で叫んでいた。

なぜなら家の会社が買収されるから。
よりによって桐島グループに。

桐島グループは翼の家の会社。
幼馴染みの家の会社に買収される。
そんなのは考えがたかった。

「それで、お前には悪いが学校を私立から公立に変えてほしい。」

父親の口から発せられた言葉はあまりにも衝撃的だった。

「はぁ!?」

俺は思わずそう叫んだ。

今の学校を辞めて違う学校に行く…
そんなこと考えたこともない。

今の学校には大切な仲間たちがいる。
そして何より、大好きな心春がいるんだ。
辞めたくない。

そう思ったが俺もそこまで子供じゃない。
買収され親父は職を失い、収入は激減する。
俺が辞めないと言っても、そのうち辞めざるをえない。
しかも余計に経済的に問題が出てくる。