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公衆電話を使うのは初めてな気がする。
手順がよくわかんなくて、もたつきながら晴輝の電話番号を押す。
晴輝と信の番号だけは暗記した。
他の幹部の番号は覚えてない。
『もしもし』
少し警戒したような低めの声が受話器から流れてきた。
公衆電話からだからしょうがない。
「結柚だけど」
なぜか緊張する。
この状況がそうさせてるんだろうか。
今、電話をかけてることが蒼竜に見つかったら疑われるから。
人通りの少ない道にある公衆電話を選んだし、蒼竜の倉庫から遠いところを選んだから、たぶん大丈夫なはずだけど。
『あぁ。久しぶりだな。元気か？』
柔らかくなった声。
晴輝の声だ…。
聞いていたら安心する声。
